株式会社今村白蟻研究所東海

シロアリは極寒冷地を除き日本全国に生息しており北海道でも確認されています。 種類もかなり多く、世界中で2800種以上確認されています。 白蟻の寿命は最新の研究でヤマトシロアリでは女王アリで10年以上、王アリは50年と発表されました。

ムシの分類学的に黒アリはハチ目アリ科に属し、卵から成虫までの成長過程は卵→イモムシ→さなぎ→成虫と姿が大きく変化する完全変態で、成虫の姿は頭部・胸部・腹部の３節から成ります。 シロアリはゴキブリ目シロアリ科で幼虫から成虫まで大きさが異なるだけでほぼ同じ姿のまま成長する不完全変態です。姿は頭部・腹部の２節と成ります。 それぞれに成長過程や姿が違うので黒アリとシロアリは全く別の生き物です。

次世代を担う目的で生殖能力を有して新しく王・女王アリと成るべく繁殖のためにかなりの数で外に出てきます。 黒アリも同様に羽アリの発生はありますが、生物学的に違う種なので発生時期や形が違います。 なので羽アリを見かけたら調べてみるのも良いと思われます。

シロアリは主に植物を形成しているセルロースを食べています。柱はもちろん畳・書籍・段ボール等紙類は植物由来の物なので餌の対象となります。これらは餌ですから食害と言います。 また餌として食べているわけではありませんが何でもかじる習性があり、建築資材等多く被害にあってます。これを加害と呼んでます。 過去に新幹線のケーブルや住宅の電線被害、昨今では住宅断熱材の被害等大きな問題もかなり発生しています。

小さな見た目とは裏腹に大きな被害をもたらします。 シロアリは小さく気づきにくいため、加害が始まってもすぐに気づくことは難しいのです。 気づいた頃には大きな被害になっている事もあり、最悪のケースでは家が倒壊してしまうこともあります。 1匹1匹は小さいですが、シロアリは多い場合100万匹もの集団になることもあるのです。 日本国内でシロアリ被害は年間3800億円以上の損失でこれは火災被害の約2倍に相当との報告もあります。 そうならないよう駆除はもちろん予防措置が大切と言えます。

日本国内でシロアリ被害をもたらしている種の代表は「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の３種です。建物構造がコンクリートや鉄筋等の非木造であっても室内は造作や化粧に木材が使用されています。建物は基本的に土の上に建っていますのでヤマトシロアリ・イエシロアリは土中に生息していることから基礎継ぎ目やクラック等１ミリ以下の小さな隙間からでも十分に侵入してきます。 アメリカカンザイシロアリは羽アリからうつる経過は早く、発生した場合に容易に近隣へ広がります。 よって建物構造に関わらずシロアリ被害は発生します。

以前の建築構造では浴室・トイレ等水回りに多く見られましたが、シロアリの生態から見た場合により土に近い部材から被害に遭うと言えます。昨今ではベタ基礎等コンクリートを多用する構造も増え、浴室はユニットバス、トイレも板貼りとタイル貼り様式も少なくなりましたが、それでも土に近い玄関等扉枠柱や上り框、雨漏りがあればそれにそって被害が拡大したり、屋根裏等まで被害が及ぶ場合もあります。

シロアリは一般的に蟻道と呼ばれる道を作ります。これがあるとシロアリの生息がある証拠です。 ほかには床がぶかぶかと緩みを感じるようになったりとした違和感は被害の兆候かもしれません。 よく、ハンマー等でたたいた時に空洞音がする場合は被害があると聞かれますが、その時には既に結構被害が進攻している状態です。 初期被害は打音ではわかりません。ご心配であれば調査依頼をすべきです。

お客様から、「今は暑いから」「梅雨過ぎてから」「羽アリの発生時期に」等よく聞きます。 また、「寒い時期は冬眠するんでしょ」とも聞かれますがシロアリは冬眠しません。１年中活動しています。 ヤマトシロアリは寒さに強いため真冬でも確実に被害は進攻します。 被害がある様なら時期・季節に関係なくできるだけ早く駆除すべきですし、可能であれば予防も早めが良いでしょう。

シロアリ防除剤は認定剤だけでも約300種類ほどあり、中には劇物指定もあります。 同業他社様が使用している薬剤については分かりませんが、弊社が使用している薬剤はシロアリの生態を研究しそれに合わせた専用薬剤です。化学物質過敏症や蒸散・臭気等に対策され、毒物・劇物・危険物のどれにも該当しない安全性の高い薬剤です。むしろ市販の殺虫剤の方が危ないと考えています。 データ上では日々接種している食塩より安全な数値を示しています。 昨今では薬剤に限らず食品も含め流通しているいろいろなもの全てが完全な安全ではない事は周知の事実であり、大切なのは用法容量を守って使用することです。

そうした謳い文句を言う業者もいますが基本的にシロアリ駆除と他の害虫等駆除は施工内容等が違います。 よってシロアリ駆除だけでゴキブリまでいなくなることはありません。 ゴキブリ等ご相談も承りますのでお気軽にお声がけください。